「退職後も社会とつながりを持つために」
「これならできる」と感じた運転の活動
移動困難な方を、車の運転でサポートする福祉車両運転協力員。上岡佳昭さんは、5年ほど前からこの活動を続けています。「早期退職後、60歳手前になり、そろそろ人のため地域のために時間を使ってみたい、と考えていたころのことです。『広報すぎなみ』ですぎなみ地域大学の『福祉車両運転協力員講座』の告知を見つけました。私には特別なスキルはありませんが、運転中心の活動なら無理なくできそうだと感じました」
「福祉車両運転協力員講座」では、活動に必要な介助の知識のほか、運転技術も学びます。講座をきっかけに、上岡さんは送迎サービスを提供する団体に登録し、運転協力員としての活動を始めました。活動は有償で、送迎の距離や介助の内容等に応じて、報酬が支給されます。
「活動内容は、高齢の方や障害のある方を車で送迎することです。車いすの方は団体の福祉車両で、自力で乗り降りできる方は自家用車でお迎えに伺います。送迎サービスの用途は、通院が多いですが、買い物などの私用でもご利用いただいています」
現在の上岡さんの活動頻度は1か月に約15日、送迎回数は40回ほど。日々忙しく過ごす上岡さんですが、「自分の意思でやっていることなので、まったくストレスはない」と話します。
役に立っている実感がやりがいに
現在はもう活動に慣れたという上岡さん。活動を始めたころは、大変なこともあったそうです。
「最初は見知らぬ土地に行くと、道がわからず苦労しました。ただ送迎サービスは利用者様の事前登録・予約が必要で、同じ場所への送迎も多いのが特徴です。続けるうちに、道にもだんだん慣れました。送迎の間の待ち時間は、当初ファミレスなどで過ごしていましたが、最近ではマッサージや銭湯に行くなど有効活用しています」
運転協力員の活動には、道を覚える以外にも、安全運転や時間の厳守など、さまざまな心配りが必要です。しかし上岡さんは「特別大変なことをしている意識はない」と話します。
「活動をきっかけに、福祉・介護のための施設やサービスがこんなにあるんだと初めて知りました。そして、自分の活動に対して『ありがとう』『助かりました』と声をかけていただき、自分が役に立っているという実感を持てると、とてもうれしいです。その積み重ねが自分のやりがいになっていると感じます」
自身の経験からも、上岡さんはぜひ他の方にも地域活動をすすめたいと感じています。
「退職後の時間を無為に過ごさないためにも、社会と関わりを持ち、感度や意識を鈍らせないことが大切だと思います。地域活動は刺激になりますし、何より人や社会の役にも立ちます。この先、地域活動を通して社会とのつながりを持つ方が増えれば、とてもいいことだと思います」
「ワイン箱を利用した踏み台」
利用者が安全に車から降りられるよう、ワイン箱を利用した踏み台を用意しています。
足を乗せやすく洒落ていると好評だそうです。
