「生活と仕事と地域活動すべてのバランスがちょうどいい」
きっかけは区のホームページ
「きっかけは、粗大ごみを出すために区役所のホームページを見たことです。『すぎなみ地域大学』という名前をそこで初めて見つけて、興味を持ちました」
それは杉並区で地域との関わりを深めたいと考えていた矢先の出来事でした。区役所のウェブサイトで「すぎなみ地域大学」を知った金成潤さんは、「地域防災コーディネーター養成講座」と「区民ライター講座」の2つの講座を受講し、現在は地域防災コーディネーター、区民ライターとして、活動を続けています。
今回は、区民ライターとしての活動について伺いました。
「2020年に『区民ライター講座』を受講しました。わたしが受講したときは、およそ18人の受講生がいて、幅広い世代の方が参加していました。知識・スキルを活かしながら、地域でどのように活動するか、みなさんそれぞれに模索されていました。豊かな人生経験を持ち、話していて面白く、興味を持てる方が多かったです」
講座修了後は、およそ6割程度の受講生が区民ライターとして登録。金成さんもその一人として、ほどなく活動を始めました。
好きなことに携われる活動
「区民ライターは、さまざまな杉並区の公式メディアに文章や写真を提供します。その一つが公式情報サイトの『すぎなみ学倶楽部』です。このサイトでは、区内の店・施設などのスポットや、人、物にライターが焦点を当てて、情報を掲載しています。
取材のネタは運営団体が決める場合もありますが、自分で提案することもできます。立候補をして、自分の好きなことに携わることができるのが、魅力的な活動だと感じています」
「最近、ずっと取材したいと思っていた西荻窪の自転車店についての記事を担当しました。区内の人に広く知らせたいと思っていたので、記事が形になったときは本当にうれしかったです」
金成さんは現在も働きながら、二つの地域活動を続けています。
「地域活動を始めたころは、生活の時間を切り崩してでも活動を行う必要があると考えていて、ペースがつかめなかったこともありました。でも続ける中で、地域活動は日常生活や仕事とは違うということに気づきました。
地域と関わるための手段であり、自分の趣味に近いものです。それに気づいてからは、自分のできる範囲でいいと考えられるようになりました。今は生活と仕事と地域活動、すべてのバランスがちょうどよく、とても居心地がいいです」
偶然の出会いから、地域活動の一歩を踏み出すことになった金成さん。活動を始めたことで、「自分が地域に関わっている」という意識を持つことができたそうです。それは、これまで持ったことのない新しい実感でした。
「自分が関わるボランティアには、ほとんど報酬はありません。だからお金を稼ぐためでなく、自分の前向きさを保つために活動しています」
金成さんの活動は、今後も広がっていきそうです。
金成さんの 「わたしの7つ道具」
カメラにボイスレコーダーなど、取材の道具をリュックに詰めて、自転車でさっそうと移動する金成さん。区民ライターとしての活動をとても楽しんでいます。ペンネームは、西荻じゅん。「すぎなみ学倶楽部」で記事を読むことができます。